安全保障技術研究推進制度(防衛省ファンディング)
令和8年度公募 傾向と対策ガイド
注意:タイプC採択数「若干数」に縮小
変更:採択発表が10月頃(R7比2ヶ月遅延)
注意:知財国外移転に要承認(R8新規)
制度の概要・位置づけ
防衛省・防衛装備庁が実施する唯一の外部基礎研究公募制度の特徴を理解する
安全保障技術研究推進制度は、防衛分野での将来的な研究開発への活用が期待される先進的民生技術に係る基礎研究を、競争的研究費制度により外部の研究機関に委託・補助する制度です。平成27年度に開始し、令和7年度より補助事業(タイプD)が新設されたほか、SBIR制度の指定補助金等にも指定されています。
他のファンディングとの本質的な違い
- 基礎研究のみが対象:応用研究・開発・実用化工夫は対象外。防衛装備品そのものを目指した研究も対象外。
- 防衛装備品への応用可能性は審査しない:審査は外部有識者が科学的・技術的見地のみで実施。
- 成果公表制限なし・秘密指定なし:学会発表・論文投稿を積極的に奨励。特定秘密の提供・指定も行わない。
- 知的財産権は研究機関に帰属可能:日本版バイ・ドール制度を適用(委託事業)。
- 研究代表者に日本国籍が必須:外国籍の研究者は分担者としてのみ参加可能。
採択実績推移(令和6〜7年度)
| 年度 | 予算 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和6年度(N-2) | 104億円 | 203件 | 25件 | 約12.3% | 委託事業のみ(補助事業なし) |
| 令和7年度(N-1) | 114億円 | 340件(制度最多) | 49件(委託20+補助29) | 約14.4% | 補助事業(タイプD)新設初年度 |
| 令和8年度(当年度) | 未確定 | 公募中 | 公募中 | — | テーマ23(医療・医工学)追加 |
採択実績の詳細について
令和8年度採択結果は公募期間中につき未公開。最新の採択課題一覧は防衛装備庁の公式プロジェクトDB(https://www.mod.go.jp/atla/funding/kadai.html)を参照されたい。
年次変化の比較表
令和7年度 → 令和8年度 の変更点
令和8年度 最重要変化 4点
- 研究テーマ23「医療・医工学に関する基礎研究」を新規追加(テーマ数:22→23件)
- タイプC採択予定数が「15件程度」→「若干数」に大幅縮小(競争激化の可能性)
- 採択課題決定が8月頃→10月頃に遅延(研究開始も11月頃→12月頃に後ろ倒し)
- 知的財産権の国外企業への移転・専用実施権設定等に防衛装備庁の事前承認が必要(R8新規)
| 項目 | 区分 | 令和7年度 | 令和8年度 |
|---|---|---|---|
| 研究テーマ23 医療・医工学 |
NEW | (なし) | 新規追加。外傷・救急医療・人工臓器・義肢・骨再生・感染症検査技術等が対象例。臨床試験・侵襲的処置・薬学的介入は対象外。 |
| タイプC採択予定数 | 重要 | 15件程度 | 若干数(大幅減の可能性) |
| 採択課題決定・公表 | 変更 | 8月頃 | 10月頃(約2ヶ月遅延) |
| 契約締結・研究開始 | 変更 | 11月頃以降 | 12月頃以降(約1ヶ月遅延) |
| 知的財産権の国外移転 | NEW | 親会社・子会社への移転は事前承認不要 | 国外企業の親会社・子会社への移転・専用実施権設定等に防衛装備庁の事前承認が必要(契約締結までに委託契約事務処理要領改正予定) |
| 研究テーマ総数 | 変更 | 22件 | 23件 |
| タイプS採択予定数 | 変更 | 9件程度 | 8件程度(1件減) |
| タイプA採択予定数 | 継続 | 10件程度(変化なし) | |
| 委託事業 研究タイプ | 継続 | タイプS(大規模)、タイプA・C(小規模)(変化なし) | |
| 補助事業(タイプD) | 継続 | 令和7年度から継続(別途公募) | |
| 小規模研究課題の契約形態 | 継続 | タイプA・C:複数年度契約(最大3年)(変化なし) | |
| 応募システム | 継続 | e-Rad経由のみ(変化なし) | |
| 研究代表者の国籍要件 | 継続 | 日本国籍必須(変化なし) | |
事業タイプ・構造の詳細
タイプS・A・C(委託)+タイプD(補助)の特徴と選択指針
タイプ選択のポイント
- 民間企業が代表機関の場合:委託事業(タイプS・A・C)のみ選択可。補助事業は選択不可。
- 若手研究者・予備的成果が少ない場合:タイプCが向くが、令和8年度は採択予定数が「若干数」と大幅縮小。慎重な選択が必要。
- タイプS応募の場合:分野横断的な研究体制(企業×大学、企業×国研等)の構築が審査観点の一つ。研究期間中に中間評価あり(3年度目10月頃)。
- 委託・補助の両方に同内容で応募する場合:採択時に防衛装備庁が委託・補助のいずれかを指定する。
令和8年度 研究テーマ一覧(全23件)
R7の22テーマから医療・医工学を新規追加。複数テーマを横断した応募も可能。
研究テーマの捉え方
各テーマは「求める基礎研究の具体例」として例示されているものであり、テーマの趣旨に沿っていれば応募者が自由に研究内容を設定できます。いずれか一つのテーマを選択して応募してください。特定テーマからの採択を約束するものではありません。
対象例:外傷・外傷性脳症の機序解明、救急医療高度化、人工血液・人工臓器、AI義肢・筋電義肢、視力回復、骨再生、病原体フィールド検査技術等。臨床試験・侵襲的処置・薬学的介入は対象外。
テーマ選択の注意点
- 応募時に選択できるテーマは一つのみ。複数テーマにまたがる研究内容でも、最も適合するテーマを一つ選択する。
- テーマ23(医療・医工学)は基礎研究が対象であり、臨床試験、患者への侵襲的処置、薬学的介入(既存薬の応用等)は対象外。「新たな作用機序を有する原薬シーズの探索」のような原理探索段階の研究が対象。
- 審査委員会は特定テーマの専門家によるピアレビューではなく、広い経験を持つ有識者によるエキスパートレビュー方式を採用。異分野の専門家が見ても理解できる記述が重要。
研究セキュリティ要件
特定研究開発プログラム指定・リスクマネジメント・国籍要件の詳細
研究セキュリティは本制度固有の重要要件
本制度は防衛関連ファンディングであることから、応募にあたり「特定研究開発プログラム」への指定有無の確認と、指定された場合のリスクマネジメント対応が求められます(公募要領5.13節)。この要件はNEDO・JSTには存在しない本制度固有のものです。
研究代表者の資格要件
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 国籍 | 日本国籍を有すること(必須)。外国籍の研究者は研究分担者としてのみ参加可能。 |
| 語学 | 日本語による面接審査・評価に対応できること。 |
| 継続在籍 | 研究期間中、応募時の代表研究機関に継続して在籍できること(組織改編等の場合を除く)。 |
応募できない者(全研究者共通)
| 区分 | 詳細 |
|---|---|
| 現職国家公務員・地方公務員 | 応募時または研究実施時に常勤の国家公務員・地方公務員の職にある者は応募不可(非常勤職員は除く)。 |
| 防衛装備庁退職後5年以内 | 防衛装備庁において研究に関する職に従事し、その職を離れてから5年を経過していない者。 |
| 応募制限中の者 | 本制度または他の競争的研究費制度において研究費不正使用等・研究活動不正行為等による応募制限措置を受けている者。 |
特定研究開発プログラムとリスクマネジメント
防衛装備庁が特定研究開発プログラムと指定した研究課題については、採択後に外国機関との関係等に関する「研究セキュリティに関する質問票」(別紙5)の提出とリスクマネジメント対応が求められます。対応が不十分な場合、採択取消し・研究中止となる可能性があります。
令和8年度新規:知的財産権の国外移転に関する規制強化
2024年6月の有識者会議提言を受け、国外企業(外国籍の親会社または子会社)への知的財産権移転・専用実施権設定等には防衛装備庁の事前承認が必要となる見込みです(委託契約事務処理要領を令和8年度の契約締結前までに改正予定)。外国拠点を持つ研究機関や外国資本の企業は、採択後の事業活動への影響を事前に確認してください。
審査スケジュール
公募から研究開始まで — 令和8年度版タイムライン
審査・評価基準
タイプ別審査観点と採択実績から読み取れる傾向
エキスパートレビュー方式の特徴と書き方の注意(委託・補助共通)
本制度の審査(委託事業・補助事業のいずれも)は同分野の専門家によるピアレビューではなく、「広い経験を持つ有識者によるエキスパートレビュー」方式です。異分野の専門家が評価委員となることを前提に、分野外の人が読んでも研究の意義・課題・優位性・社会的インパクトが論理的に伝わる記述を心がけることが採択への近道です。専門用語の多用や略語の無断使用は避けてください。
委託事業(タイプS・A・C)の審査観点
タイプS・A 審査観点
- 研究テーマとの整合性
- 新規性・独創性・革新性(★特に重視)
- 成果の波及効果(★特に重視)
- 目標の具体性・明確性・適切性
- 研究計画・方法(類似研究との優位性)
- 必要経費の妥当性
- 研究代表者等の能力・エフォート配分
- 研究の準備状況(予備的成果含む)
- 研究実施体制(タイプSは分野横断性も評価)
- 研究費の不合理な重複・過度の集中の有無
タイプC 審査観点
- 研究テーマとの整合性
- 独創的着想(★最重視)
- 成果の波及効果(★特に重視)
- 研究目標の科学技術的インパクト
- 独創的な着想に基づく研究方法論
- ブレークスルーの期待可能性
- 必要経費の妥当性
- 研究代表者等の能力(準備状況は不問)
- 研究費の不合理な重複・過度の集中の有無
補助事業(タイプD)の審査観点
補助事業(タイプD)の審査は委託事業と同枠組みで実施
補助事業(タイプD)の審査観点は委託事業と同様の枠組みです。応募者はタイプS・A相当またはタイプC相当の規模を選択して応募し、対応する委託タイプと同じ観点で審査されます。委託・補助の両方に同内容で応募した場合は、採択時に防衛装備庁がいずれか一方を指定します。
採択実績から読み取れる傾向(令和6年度)
令和6年度の採択25件のうち、タイプS(大規模研究課題)が9件と全体の36%を占めました。採択テーマ例として、海中電波通信・水中ロボット測位、高強度ナノヘテロ合金の3D積層造形、高周波ダイヤモンドデバイス、核酸等温増幅の偽陽性機序解明、高抵抗SiC光導電半導体スイッチなど、いずれも基礎原理の探索・新知見の創出を目指した研究が採択されています。応用実績・成熟技術ではなく、「なぜこの基礎研究に革新性があるか」を明確に説明できる研究が選ばれる傾向があります。
令和7年度は大学等からの応募が前年度比約3倍(123件)となり、採択件数も49件と大幅増加しました。補助事業(タイプD)の新設により大学・国研の参加が拡大した結果とみられます。
落とし穴と対策
★は本制度固有・R8新規の注意事項
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1★ タイプC採択数が「若干数」に激減——計画を過信しない令和7年度は「15件程度」だったタイプCの採択予定数が、令和8年度は「若干数」に変更されました。数件程度まで絞られる可能性があり、タイプCを選んだ応募者は従来以上に厳しい競争を覚悟する必要があります。対策:タイプCで応募を検討している場合でも、研究内容によってはタイプAへの変更を検討する。審査委員会がタイプ間での採択調整を行う場合があることを念頭に置き、タイプAとして採択されても成立する内容・経費規模で計画を立てる。
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2★ 研究代表者に外国籍は認められない研究代表者には日本国籍が必須です(公募要領2.2.3節)。外国籍の研究者が主たる研究担当者であっても、研究代表者になることはできません。これはNEDO・JSTなど他の競争的研究費制度には通常ない要件です。対策:外国籍の研究者が研究の中核を担う場合は、日本国籍を持つ研究者が研究代表者となり、外国籍の研究者は研究分担者として参加する体制を構築する。研究代表者は応募書類および面接審査における総括的責任者となることを認識すること。
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3★ 知的財産権の国外移転には事前承認が必要(R8新規)令和8年度から、採択後に取得した知的財産権を国外企業(外国籍の親会社・子会社)へ移転・専用実施権設定等する際に、防衛装備庁の事前承認が必要となります。外国資本の子会社や、外国に親会社を持つ企業等が採択された場合、事業活動に制約が生じる可能性があります。対策:応募前に自組織の資本構造・外国関連会社との知財ライセンス方針を確認する。採択後に知財を国外親会社へ移転する必要がある場合は、事前に防衛装備庁との相談を検討する。委託契約事務処理要領の改正版を確認すること。
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4応用研究・実用化工夫は審査対象外——「基礎研究」の定義を誤解しない本制度は「革新的な目的指向の基礎研究」が対象であり、既存技術の実用化工夫・応用研究・開発研究は明確に対象外です。一方で「真理の探究のみを目的とした純粋な学術研究」も望ましくなく、「防衛分野での将来的な活用が期待される新知見の創出」を目指す研究が求められます。対策:応募書類の冒頭に「本研究は〇〇という基礎原理に立ち返り、△△という新たな知見を創出することを目指す」という位置づけを明確に記述する。既存技術の性能向上・コスト削減を主目的とした内容は避け、未解明の科学的・技術的問いに答える研究として記述する。
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5国家公務員・防衛装備庁退職後5年以内は応募不可現職の常勤国家公務員・地方公務員は応募できません(非常勤は除く)。また、防衛装備庁において研究に関する職に従事し、退職後5年を経過していない者も応募できません。産学連携の研究グループで申請を検討している場合、メンバーの資格を事前に確認する必要があります。対策:応募前に全研究者の所属・経歴を確認し、資格要件に抵触する者が含まれていないか確認する。国家公務員であっても採択後に民間へ転籍予定の場合は、採択時の資格に注意が必要。
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6面接審査は研究代表者本人が必須——代理は原則不可面接審査(二次審査)は研究代表者本人によるプレゼンテーションが必要であり、やむを得ない事情がある場合を除き代理は認められません。面接日程の指定もできないため、書類審査通過後に日程が確定してから予定を変更するのは困難です。欠席した場合は審査対象から除外されます。対策:書類審査期間(6〜7月頃)および面接審査期間(7〜9月頃)は研究代表者のスケジュールを可能な限り空けておく。事前に公開される面接候補日を確認し、絶対に参加できない日程がある場合は慎重に検討する。
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7e-Radへの事前登録忘れ——締切に間に合わないリスク応募はe-Rad(府省共通研究開発管理システム)経由のみ受付けます。研究機関・研究者のe-Rad登録に2週間以上かかる場合があります。応募締切直前に登録を試みると間に合わない可能性があります。また、委託事業と補助事業でe-Radの応募フォームが異なるため、誤って別の種別で提出するリスクもあります。対策:公募開始(3月13日)後すぐにe-Radへの登録状況を確認し、未登録の場合は直ちに手続きを開始する。提出後は必ずe-Rad上の「応募状況」が「配分機関処理中」になっているか確認する。委託・補助の応募フォームを間違えないよう注意する。
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8委託事業で購入した備品は研究終了後に防衛装備庁へ返納委託事業において購入した備品等の所有権は、研究期間終了後に原則として防衛装備庁に帰属し、返納が必要です(補助事業の場合は所属機関への寄付で研究機関が使用継続可能)。高額な装置・機器を購入する研究計画を検討している場合、採択後の機器の使用継続について制約があります。対策:委託事業で高額機器を購入する場合は、研究終了後の機器の扱いについて事前に計画を立てておく。継続して使用したい場合は無償貸付・有償貸付の申請が可能な場合があるため、防衛装備庁に確認する。補助事業を選択することで取得財産を所属機関で使用継続できる場合がある。
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9★ タイプAで「準備状況なし」は不利——タイプCとの違いを理解するタイプAでは「研究の準備状況(予備的成果を含む)」が審査観点の一つです。一方、タイプCは独創的着想・研究能力が中心で「準備状況は不問」です。この違いを理解せずにタイプAで予備的成果なしの応募を行うと審査で不利になります。対策:タイプAで応募する場合は、なぜこの研究が実現可能かを示す予備的成果・先行研究・研究環境の整備状況を具体的に記載する。予備的成果が十分でない場合はタイプCへの変更を検討する(ただし令和8年度はタイプC採択数が「若干数」に縮小)。
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10★ 採択発表が10月に遅延——採択後の準備期間が短縮令和8年度の採択課題決定は10月頃、研究開始は12月頃の予定です(令和7年度は8月頃発表・11月頃開始)。採択から研究開始までの期間が約2ヶ月と短く、業務計画書の作成・事務局との調整・契約締結を迅速に行う必要があります。年度末(3月31日)が研究費執行原則の締め切りであることから、採択初年度は研究費を適切に計画する必要があります。対策:採択後の業務計画書作成・コンプライアンス教育受講・チェックリスト提出等のプロセスを事前に把握しておく。採択初年度(12月〜翌3月)の研究費計画は現実的な執行可能額で設定し、使い切れない経費を計上しないようにする。
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11★ テーマ23(医療・医工学)の適用範囲を誤解しない令和8年度から新設されたテーマ23「医療・医工学に関する基礎研究」は、臨床試験・患者への侵襲的処置・薬学的介入(既存薬の応用等)は明確に対象外とされています。医療系研究者が参入するにあたり、自身の研究が「基礎研究」の範囲内かどうかを慎重に判断する必要があります。対策:テーマ23への応募を検討する場合、「原理探索・機序解明・新しい作用機序のシーズ探索」に焦点を当てた研究内容であるかを確認する。臨床応用を記述する場合でも、本研究では基礎原理を検証するにとどまることを明確にする。不明な場合は防衛装備庁の窓口(funding-kobo@cs.atla.mod.go.jp)に事前相談する。
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12★ 補助事業(タイプD)の経費は年度内執行が原則——繰越・概算払いタイムラグに注意補助事業(タイプD)では、研究費(補助金)は年度ごとに交付申請・交付決定が行われ、年度内執行が原則(繰越不可)です。また、概算払いが実施されるまで交付決定から2か月程度かかるため、採択初年度(10月頃〜3月末)の実質的な経費執行可能期間は限られます。委託事業とは資金執行ルールが根本的に異なる点に注意が必要です。対策:補助事業を選択する場合、採択初年度の研究費は10〜12月頃からの実執行を想定した現実的な額で設定する。大型設備の購入は翌年度に回すことも検討し、年度内に確実に執行できる経費項目(旅費・消耗品・人件費等)を中心に計画する。年度末の残額未執行は補助金返還となるため、計画的な執行管理が重要。
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13★ 補助事業(タイプD)に民間企業は応募できない補助事業(タイプD)の応募資格は大学・高等専門学校・国立研究開発法人・公益法人等に限定されており、民間企業は応募不可です(委託事業との最大の違い)。令和7年度から補助事業が新設されたため、制度全体の概要紹介では「大学・企業等が対象」と記載されていることが多く、民間企業の研究者が誤解するケースが想定されます。対策:民間企業が参加する研究グループが補助事業への応募を検討している場合は、そもそも応募資格がないことを確認する。民間企業は委託事業(タイプS・A・C)のみ応募可。大学・国研が代表機関で企業が分担機関になる場合でも、補助事業の代表研究機関としての応募は民間企業には認められない。
応募チェックリスト
公募前〜提出時の4段階確認リスト+提出書類一覧
【フェーズ1】 公募前の確認(3月13日以前)
- e-Radの研究機関・研究者登録が完了しているか(登録に2週間以上かかる場合あり)
- 研究代表者候補が日本国籍を有するか確認
- 全研究者が現職の常勤国家公務員・地方公務員でないか確認
- 防衛装備庁の研究職を退職後5年以内の者が含まれていないか確認
- 代表研究機関が防衛省競争参加資格(全省庁統一資格・役務)を取得しているか確認(未取得の場合は契約時までに取得)
- 組織内に外国籍親会社・子会社があり、知財移転の可能性がある場合は対応方針を事前検討
- 他の競争的研究費との重複応募・不合理な重複がないか確認
【フェーズ2】 応募タイプ・テーマの選択
- 委託事業・補助事業のどちらに応募するか決定(民間企業は委託事業のみ)
- 研究タイプ(S・A・C)を決定。タイプCは令和8年度の採択予定数が「若干数」と少ないことを考慮
- 研究内容に最も適合する研究テーマ(1〜23番のうち1つ)を選択
- 研究内容が「基礎研究」であるか確認(応用研究・実用化工夫は対象外)
- タイプSの場合:分野横断的な研究体制(企業×大学等)の構築を検討
- タイプAの場合:予備的成果・研究準備状況を記載できるか確認
- 補助事業(タイプD)を選択する場合:研究費は年度内執行が原則(繰越不可)・採択初年度は10月頃〜3月末の短期間での執行を見込んだ経費計画を立てること
- 委託・補助の両方に同内容で応募する場合:e-Radの提出フォームが別々であることを確認。採択時は防衛装備庁がいずれか一方を指定
【フェーズ3】 書類作成時の確認
- 応募書類様式は公募要領に記載の防衛装備庁HPからダウンロード
- タイプ別に記載項目が異なる部分(タイプC:準備状況の記載不要等)を確認
- 研究の意義・革新性・波及効果を分野外の専門家にも伝わる記述で表現
- 防衛装備品への応用可能性・軍事的意義の言及は不要(審査観点に含まれない)
- 研究費計画が必要十分か(根拠なく上限額近くまで積み上げることは避ける)
- 研究期間中に研究代表者が継続在籍できるか確認(退職・長期出張等の計画があれば事前確認)
- 様式1-1〜5・参考様式をPDFで1ファイルにまとめる(添付論文等は除く)。ファイルサイズは極力3MB以内、最大10MB
- 様式6〜8はExcel形式で別途作成(様式8は連絡先希望者のみ)
- 画像ファイルはGIF・BMP・JPEG・PNGのみ使用可
【フェーズ4】 提出時の確認(締切直前に慌てない)
- 所属研究機関の承諾(参考様式「研究課題の応募・実施承諾書」)を事前に取得
- e-Rad上で委託事業の応募フォームを選択しているか確認(補助事業と別フォーム)
- 締切(5月20日水曜日正午)の1週間以上前に提出を完了する
- 提出後、e-Rad上の応募状況が「配分機関処理中」になっているか必ず確認
- 締切当日は研究代表者の連絡先に連絡が取れる状態にしておく
提出書類一覧
| 書類名 | 様式番号 | 形式 | 要否 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 研究課題申請書(概要) | 様式1-1 | 必須 | 様式1-1〜5・参考様式は1つのPDFにまとめる | |
| 研究課題申請書(詳細) | 様式1-2 | 必須 | タイプ別に記載項目が一部異なる | |
| 追加説明事項 | 様式1-3 | 必須 | ||
| 研究費の見込額 | 様式2-1 | 必須 | ||
| 研究費計画書 | 様式2-2 | 必須 | ||
| 他制度応募・受入れ状況(研究代表者分) | 様式3-1 | 必須 | ||
| 他制度応募・受入れ状況(各研究分担者分) | 様式3-2 | 条件付き | 研究分担者がいる場合 | |
| 研究代表者調書 | 様式4-1 | 必須 | ||
| 研究分担者調書 | 様式4-2 | 条件付き | 研究分担者がいる場合 | |
| 法人概要 | 様式5 | 条件付き | 民間企業等の場合 | |
| 申請の概要 | 様式6 | Excel | 必須 | 別途アップロード |
| 研究者の一覧 | 様式7 | Excel | 必須 | |
| 連絡先 | 様式8 | Excel | 条件付き | 研究代表者以外に採択審査等の連絡を希望する場合のみ提出。提出がない場合は研究代表者のみに連絡。 |
| 研究課題の応募・実施承諾書 | 参考様式 | 必須 | 所属研究機関の承諾を示す文書。様式1-1〜5とまとめてアップロード |
採択率向上のための最重要5原則
- 革新性と波及効果を全面に:審査で特に重視される「革新性」と「成果の波及効果」を申請書の冒頭から明確に打ち出す。
- 異分野向けの言語で書く:評価委員はエキスパートレビュー方式のため、自分の専門分野外の人が読んでも理解できる記述にする。
- 防衛色を出さない:防衛装備品への応用可能性は審査観点に含まれない。基礎研究としての価値で勝負する。
- ハイリスク研究を恐れない:公募要領は「ハイリスク研究を大いに推奨する」と明記。確実な目標より挑戦的な目標の方が評価される。
- 早期に余裕をもって提出:締切前日ではなく、不備修正の時間を含め1週間以上の余裕を持って提出する。
お問い合わせ先
| 内容 | 窓口 | 連絡先 | 受付時間 |
|---|---|---|---|
| 制度全般 | 防衛装備庁 技術戦略部 技術戦略課 オープン・イノベーション推進室 | TEL: 03-3268-3111(代表)内線 28523、28514 | 平日 10:00〜12:00 / 13:00〜17:00 |
| 公募・採択・評価・事務手続き | 防衛装備庁 防衛イノベーション科学技術研究所 | E-mail: funding-kobo@cs.atla.mod.go.jp TEL: 03-3268-3111(代表)内線 27038、27045 |
平日 10:00〜12:00 / 13:00〜17:00(緊急でない場合はメール優先) |
| e-Rad操作関係 | e-Radヘルプデスク | https://www.e-rad.go.jp | HPを確認の上、問い合わせ |
